2006年1月15日日曜日

長寿梅改作失敗

過去に何度も「長寿梅の石付」の石を外して成功し
中には、中盆栽で国風展にも入選可能なほどの名品をゲットしたこともあります

で、先日ある盆栽展の売店に並んでいた長寿梅の石付に見込みをつけ買い込みました
今回もいい小品をものにできるかな?



石付の長寿梅
骨格はほとんど出来上がって、とくに差した枝が魅力的
小枝もほぐれ始めています

石を外して根上がりにしようともくろんでいます
さて



うまく石が外れました
利いた根もあるし全体の図も予想通り



と思いきや

あれ!
裏側の根がない!



慌てて根の周辺を洗ってみました

(右側面からの図)
あれれれ!
ケト土で隠れて見えなかったのですが、根が腐ってトロケテしまってました

これには参った、まるで一方足で立っている鶴のようです



裏側からの図です



正面から見るとけっこうな図柄をしているんですが
裏側の根がないのではモノになりませんね

功を焦って、買う前によく観察をしなかったせいです
(値切りすぎて罰があたったかな)

残念ながら今回は失敗の巻きでした

みなさん、焦りは禁物ですぞ!

2006年1月10日火曜日

東福寺の創作意欲

自らの家族の生活さえも犠牲にするほど陶芸の世界に没頭した東福寺
その彼が生涯持ち続けた精神世界が、残された作品から窺い知ることができます

例えば今日ご紹介する高取釉の作品
おなじ高取釉であっても、それぞれはまったく違った印象のものなのです

ある次元に到達しても「憑かれた男・水野喜三郎」は安住を求められなかった証がそこに見られます
次々と湧き上がる創作への意欲が彼を前へ前へと突き動かし続けたのでしょう


典型的な高取釉
渋さのなかに高取特有の華やかさがあります

茶と黒のコントラストの鮮やかさがため息が出るほどに魅惑的で
並みの作家ならこの高取釉だけで充分に満足できるものです

しかし、東福寺は


高取釉一対


土目も釉薬の印象もまったく違ったこの一対鉢を作っているのです

茶の部分は飴釉(あめゆう)に似て半透明、黒の部分に雪のような白い釉薬が混じっています
さらに釉薬は掛け流して変化を強調しています

どちらも初期の作品ですが、作出の前後はわかりません
みなさんはどう思いますか?

ともかくこのように、高取釉をt例にとっても
東福寺の創作意欲はもの凄く、飽くことを知らなかったと云えましょう

2006年1月3日火曜日

冬来りなば・・・

明けましておめでとうございます本年もどうぞよろしく

冬来りなば・・・、と云いますが、ときはすでに新春
私達の目には見えないところでも間近な春に向けての営みは進行中です

ついこのあいだ紅葉していたもみじ類も12月も半ばになると活動が始まり
うっかり枝を切ると切り口から樹液が涙のように流れ出してしまいます

小品盆栽の冬囲いの中で肩身狭く居候している山もみじの双幹は
私が6年ほど前に手に入れ市内の愛好家さんに買っていただいたもの

順調な培養を続ければこんご5年以内で国風展に入選間違いなし
そう確信を持っている逸材です

今回縁があって再び私のところへ戻って来たのですが
そのときには、落葉後の剪定時期は過ぎていました



落葉後の枝の整理をしていないので、ところどころに徒長枝が目立ちますね
しかし、ここは我慢のしどころ、3月になるまで待ちましょう

植替えと同時に小枝の剪定をするのです
根を切られた場合は、活動は一時停止され樹液は流れないのです

ベテランの方はとっくに知っていることですが
初心から中級くらいの方は良く覚えておいてくださいね

目には見えないところで植物は活動を活発にしたり休止したりしているんです
その植物の動きが目に見えるようになること

それを今年の目標にしましょう!

では