2007年6月9日土曜日

楓ミニ改作

昨日訪れた同業者の棚で、葉刈りをしたばかりのミニサイズの楓が目にとまりました

コケ順がよくってちょっと愛嬌のいいやつ
幹の模様もいいし、見どころありそうです

しかし、どうでもいいけど、幹洗いをしていません
幹がうす汚れてますね、かわいそうに、これじゃ商品価値がさがるよね


正面から

この正面だと、幹筋と一の枝のバランスがよく、全体の構えはいいように見えるんだけど
右のニの枝が太すぎるのと、正面の小さな前枝が気にくわない


後ろから見てみると、???
なんか気になるな


そのはずです、うしろの根張りが盤状になって、こんなに張ってるんです
したがって、鉢の中央よりやや前方に植わっているんですね、これじゃ不自然です

しかし、後ろ姿の幹筋にもちょっとばかりいいとこがありそう
後ろ側からも筋がつかめるるかもしれない、いろんな角度から検証しましょう


そうです、この角度です
従来の芯を無視すれば、いい筋が見えてきましたよ

以前の正面は、オーソドックスな雑木スタイル
それに比べて、この角度からの特徴は

1 盤状の根張り
2 凝縮された幹の力(樹高5.0cm)
3 個性的なスタイル


切っちゃいますよ
後の後悔は先には立ちませんが、いっちゃえー!


えい、っと、切っちゃいました
もうどうにもならない、つながらない

思い切りが肝心ですぞ
ったって、後悔の涙を流すことだってあるんだけどね

立ち上がりから樹冠部にかけ、筋が通ったようでだし
左右の利き枝の表情もなかなかいい


こんな感じかな
現在の樹高は5.0cm

左の立ち枝の表情が個性的です


後ろ姿

楓ですからこのくらいの傷は心配なし
画像では見えにくいですが、後ろ枝もいい位置に出ています

また樹冠部の構図がしっかりと描けていませんが
芽が伸び出せば、間もなくデッサンが描けるはずです

では、では、お疲れーッ!

2007年6月7日木曜日

作る・きんず

5月23日に丸裸に切り込んだきんず、ちょうど二週間が過ぎました
現在の状況をお知らせしましょう


2007/06/05撮影

みごとに吹いたでしょ

とくに正面の頭に吹いた芽、長いのじゃないですよ、が嬉しいですね
この芽が確認できたときは、ほとんど狂気

この芽は将来は頭になる大切なもの
吹いた位置がドンピシャ、理想的です

枝にもおおよそ理想的に近いかたちで吹きました
去年は辛抱して樹勢を上げることに専念した甲斐がありました

ほんとに嬉しい!

ちなみに、このきんずの完成予想樹高は


数日前から日向に出し、霧水を一日数回やりながら
どんどん伸びろ、どんどん伸びろ、とお祈りをしています

将来の名品です
またお知らせいたします

2007年6月6日水曜日

黒松葉透かし

春の訪れと共に、雑木の新芽摘みや葉透かしに追われ
ついつい手が入らないのが松柏類

松は手がかからなくっていい
なんて思い込んではいませんか

雑木の項でも再三お話しているように
松柏類にとっても葉透かしの作業は非常に大切です

フトコロに採光と通風をよくしてやれば
現在ある小さなフトコロの胴吹き芽に元気が出てきます

みなさんの持っている松柏盆栽で、輪郭線の外側の芽だけは元気なのに
内側のフトコロの小枝は芽があがっちゃってる、そういうのはありませんか?

長年にわたり同じ寸法の維持を目指している盆栽
その盆栽もフトコロ芽がないのでは、小さく追い込みようがありません

盆栽がいつまでも盆栽でいられるのは
フトコロ芽のお陰であることを忘れてはいけませんね


作業前

早ければ三月頃からでも葉透かしを始めます
この黒松はその頃に軽く行いました(古葉を5対くらい残す)

新芽が伸びてフトコロがだいぶんに混んできましたので
今回は古葉を3対残しで透かします

以前にもお話したように、ピンセットで引き抜くのではなく
ハサミで葉の元を数ミリ残しで切り取りましょう

今の時期にここまでやっておくと6月の末から7月中旬にかけての
短葉法をかける「みどり摘み」の作業も簡単ですね


作業終了

根気の要る作業ですが、かなりサッパリして採光も通風も格段によくなりました


後ろ姿作業前


後ろ姿作業終了

今からでも遅くはない
松柏類の葉透かし、実行です!

私もたくさん残ってるんです
がんばらなくっちゃ