2012年6月4日月曜日

けやきの葉刈り

昨年のつれづれ草で勉強した「けやきの芽摘みと葉刈り法」

ところが、フリースクールの生徒さんの作品に限っては、一生懸命頑張ったひとよりも
芽摘みや葉切りをやや怠け気味にやったひとの方が、かえっていい結果が出ているという傾向があります

がんばった生徒さんのは枝先がゴツクなったり
ぎゃくに細く軟らかくなったと思ったら、冬場に枝枯れを起こしたひとが多かったようです

そんな皮肉なことになってしまったので、教える側としては大いに反省したわけですが
とにかくその原因がわかったので、ここでもういちどしっかり勉強のし直しをしたいと思います

それでは!

さて、私が昨年の勉強で特に強調したかったのは、次のことがらです

(以後昨年の記事より) 

特に注意するポイント(重要)

1,2、3芽と芽先を数えてみて、この場合のように1芽目の節間が極端に狭い場合は


2芽を残して摘むようにします
1芽目で摘むと昨年枝の元に複数の芽が吹いてしまい、その箇所がゴツクなる恐れがあるためです

(ここまで昨年の記事)

と申し上げました

ところが、1芽ヒトメと思い込んでしまったひとは、頭ではわかっていてもいざハサミを持ってみると
ついつい節間が短かくとも、1芽のところまで追い込みを繰り返し過ぎてしまったのです

結果は、近い位置に芽がたくさん吹きすぎて枝先がゴツクなってしまい

さらに、新芽の先端がまだやわらかいうちに頻繁な芽摘みを繰り返したため
枝先がやせ細り、冬に枝枯れをおこしてしまった、ということです

しかし、一回くらいのの失敗にくじけずに
次のことがらを頭に叩き込んで、あらためてけやき盆栽の管理に挑戦してくださいね

またこれからは、木の成長段階や勢いと相談しながら
今年これから勉強する方法と昨年の方法とを、適宜に使い分けてください


今年の作業を見て下さい

春に植替えました
春の新芽は軽く芽摘みがなされています


芽摘みの拡大図(重要)

春の新芽が4~5節伸びたころに3芽くらいを残して先端を摘みました
既に摘まれた先端から新しい芽が伸びかかっています


葉はすでにいくらか固まりかけています
葉が固まりかけた今ごろが葉刈りの適期です

固まった葉は、手で軽くふれると「ガサガサ」という感触があります


葉が固まったけやきは、指先で引っ張っても葉柄の元の芽は取れませんから
ハサミで切らずに指先で引っ張って葉を取っても大丈夫


頭頂部から始めると作業が楽


ピンセットを併用しながら丁寧に


あらかたの葉は刈り取られましたから、次は剪定の段階に入ります


枝先は1芽残しで切るのが原則ですが
昨年も申し上げた通り、節間が短い場合は2芽以上を残して切るのが鉄則です


フトコロにもぐっていた徒長枝などは元から掻き取る


不要芽が徒長しています
これらもピンセットで元から掻き取る


1から2芽を残して枝先の剪定も終わりました

これで葉刈りは終了ですが
これからの管理についてもお話ししなければなりませんね

そこで今後の培養ポイントです

1 入梅から夏にかけての肥料はやや控えめに
  あまり樹勢をつけると芽が伸びすぎてしまいます

  年間を通して、葉刈り前に1~2回、秋9~10月に2回くらい

2 入梅から夏にかけて、けやきはグングン芽を伸ばします
  その場合の芽摘みも2~3芽くらいを残して長めにやっておくこと
  あまり強く芽摘みを繰り返すと、そこに多くの芽が集中して枝先がゴツクなります

3 ただし、かぶさった葉は適宜に透かせて
  フトコロに採光と通風をはかることを忘れてはいけません

4 落葉後の的確な剪定によって、1芽残しかそれ以上に追い込んで
  骨格の見直し、サイズの短縮などを行います

では

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