2013年5月3日金曜日

舞姫と織姫の区別

昨年の春先に手に入れた舞姫もみじの種木は、大きな鉢に入れて伸ばし放題にしておいたので
根元の直径も7cmくらいに太って枝数もかなり増えました

この種木からは、すでに今年の春先には挿木の穂木を採取したし
入梅ごろには枝のあちこちに取り木をかける準備もしています

過去の舞姫もみじの記事


足元の直径は約7~8cmに太りました
子孫繁栄に多いな期待がかかっていますよ


今年の芽出しは順調で、ご覧のように葉数も増えています
葉数が多ければ、それに比例して根の働きも活発になり、樹勢(じゅせい)はますます順調な循環になります

ところで、よく似た小葉性もみじに「織姫もみじ」という品種がありますね
このあたりで、その織姫と舞姫の相違をはっきりさせておきましょう

というのは、この舞姫と織姫は兄弟実生といって、同じ親の種子から作出された兄弟らしく
一見したところでは、ほとんど見分けるのが難しいと言っていいでしょう

そこでまず、↑の舞姫の小枝を採って葉をじっくりと観察してみます


掌状に正しく五つに裂けています
葉形はもちろん葉柄に向かって深く切れ込んでいて、すっきりと細形です


最近、幸いにも、親しい同業者が昨年の入梅時に挿木をした「織姫」の苗を手に入れました
これらの葉を検証してみれば、お互いの相違点が見つかるかもしれません


見たところ七つに裂けている葉が大多数のようですね
しかし、じっくりと観察すると、中には五つの掌状のものも所々に交じっています

ちなみに、織姫がまだハウス内に置いてあり葉が固まっていないため
ここでは、葉の色彩について考慮しないこととします


それで、もういちど舞姫もみじの他の小枝を採取して観察してみましょう
すると、ほとんどが五つに裂けているのですが、中には七つの葉がないわけではない、のです


この小枝にも七つに裂けた葉が交っています
中には不規則に六つのもあるくらいですね

こりゃ、ややっこしいですね
どっちが舞姫で、どっちが織姫なの!?

ということで、業界ではその多くが五つに裂けている葉形のものを「舞姫」
そして同じく、七つのものを「織姫」として認識してお互いを区別しているのが現状です

名前の区別はわかったとしても
どうしてこうなっちゃうの!?

これはおそらく

これら2種が、同じ親から種子を採取した兄弟実生のために
自らの個性を持った異なった個体でありながら、親から受け継いだ共通の性質が時として双方に現れる

もしくは、先に見出されたどちらかの品種に裂け方の異なる枝変わりが現れ
その枝変わりを挿木などにより繁殖して異なる品種として命名した

ゆえに、お互いの親木が同一であるため、どちらも共通の性質が色濃く潜在していて
それらが時として双方に現れる

そのどちらかと思われます

いずれにしても、基本的に五つの掌状の葉形のものを「舞姫」
七つのものを「織姫」と覚えておいてくださいね

そして、この2種類は葉形の相違点を除いては
枝や芽の性質などについてはほとんど相違点はないようです

では

0 件のコメント:

コメントを投稿