2013年12月27日金曜日

舞姫用の簡易冬囲い

私が繁殖に力を入れている「舞姫もみじ」は
現在、挿し木苗まで入れると数100本になったのですが
なかの約50本は、挿し穂や取り木の種木として活用するつもりの大切なもの

それらは、新芽を切らずに1メートルも徒長させて
ご覧のように支柱を立てて上へ上へと伸ばしている状態です

そこで、この背の高い種木をどうやって冬越ししようかが
ちょっとした私の悩みでした

というのは、我が園の冬囲いの設備のほとんどが小品盆栽向きに作られているので
1メートルでは頭がつかえて収納不可能なんです

ビニールハウスもあるにはあるのですが

 

のようなわけで、年が替われば始まる植え替え用に必要なので
舞姫もみじで占領してしまうわけにもいきません

そこで作ったのが、このようにコンパネをブルーシートで囲った簡易小屋の感じ
みためはイマイチですが、けこうなすぐれものと自負しています


北と西側からの冷たい風が当たらないようにして
屋根にもコンパネを張って雪の重さにも耐えられるよう、強度には十分の注意を払いました

南と東側は原則として開け放し式
東側には巻き上げ式のシートのカーテンを備えましたが、なるべく使わないようにしています

この両側を透明ビニールで覆うことも考えましたが、過保護にすると春の芽出しが早くなり過ぎて
挿し穂の採取や取り木時期が短縮されますから、今回はスパルタでいくことにしました



もちろん、寒中には鉢土が凍結するはずですが、まずは暖か過ぎず、しかも乾燥した冷たい風は遮断された
自然の状態でのなかなかいい環境ができ上がりました

けっこう鉢土も乾くので、毎日のように水やりしますが
とくに、奥の方に押し込んである鉢の水切れには気を使ってやります

ということで、霜と冷たい北風を防いだだけの
簡易な冬囲いの方法をご紹介しました

では

2013年12月26日木曜日

冬期の水やり

「水やり3年」という、盆栽人なら
だれでも知っている有名な言葉がありますね

しかし、、やっとわかったと思える頃になると、とんでもなく痛い目にあったりして
やっぱり初心を忘れちゃダメ、などと反省させられ、一生勉強だな、と思わされるのが水やりなんです

以前、このつれづれ草の「五葉松取り木・乾かす勇気」でコツを説明しましたが
今日は冬期の水やりについての注意点をお話してみましょう


冬囲いの中を注意深く覗き込んで見ると、ほとんどの鉢は濡れているのに
中にはご覧のようにカラカラに乾いた鉢があります

これでも、ほとんど毎日水やりしていて、昨日もやったんですよ
それでも、鉢によって乾き方にムラが出て、うっかり水切れさせてしまうのが冬期の特徴なんです


ここにもありますね

左は出猩々もみじ、右の仕立て鉢は山もみじですが
山もみじの方だけがかなり乾いていますね

このように、冬囲いの中にあると、ついついうっかりしてしまい
あと1日もやらなければ、カラカラになってしまいます

このように冬中ちょくちょく水切れをさせると
春の芽出しが遅れたり、ときには芽が出ないことだってありますよ


とくに南向きの日当たりのいい冬囲いであれば、必ず毎日1回
乾燥した風の強い日などは2回でもいい、たっぷりと潅水してやりましょう


中には、夜間の凍結を恐れてやらない人もいますが
翌日の午前中に融ければ悪影響はありません

盆栽だって、餓えと寒さの両方じゃ参ってしまいますよ
せめてご飯(水)だけは十分にやってください

まあ、理想的な水やりの時間帯は、午前中から正午あたりですが
私は気温の下がり始めた夕方でも、乾いていたら必ず潅水しますよ

ということで、冬期の水やりは「油断大敵」を肝に銘じ
凍結を恐れずにちょっと多めを心がけてください

では

2013年12月20日金曜日

舞姫・みごとな紅葉

(この記事は11/27に掲載する予定でしたが、雑用に追われて今日になってしまいました)

11月に入ると関東平野部でも夜間の気温が下がり始め、木々の紅葉が始まり
私の住む松戸市の公園や神社仏閣などでも、はっと目を見張るような美しい光景に接することができます

ですから、愛好家さんたちも自ら所有の盆上で紅葉狩りとしゃれたいのですが
これがなかなか思うようにはいかないものです

盆栽は天然に近いかたちの植林と違って、まずは生育環境が異なり
さらに、芽摘みや葉切りが優先され、日々の水やり管理もなされているので
秋の日に光り輝くような紅葉が実現しにくいですね

ところが、今年の秋はすばらしいことに出会えたんです
まずは↓の写真をご覧ください



挿木の苗箱の約50本ほどの2年生舞姫もみじ

よく日に当たった先端部分は艶のある鮮やかな色彩で
日光の通りにくい奥の葉は黄色く、緑の葉もちらほらでまるで奥日光の見事な光景を彷彿させるほど

どうです、きれいでしょ!


紹介した挿木苗だけではありません
ボディー作り最中のこの舞姫だって、ほら、この通りにみごとな紅葉です

以上から、舞姫もみじは、生まれつき紅葉し易い性質を
強くもっていることがわかりました

もちろん、私の所有するすべての舞姫(苗から成木まで)の
全体も見渡しての結論ですよ

同じ山もみじでも毎年よく紅葉するのと
あまりぱっとしないのがありますね

隣にあってもそれらの紅葉程度がちがうことはよくあることですが
やっぱり持って生まれた性質が一番に影響します

舞姫もみじは

1 葉形がすっきりとして小形
2 枝先が細く繊細
3 枝の節間が短い
4 強壮である
5 以外に太る

など、ミニ盆栽としての優れた特質をたくさん有していますが
さらにそれらに加えて、盆上でもすばらしい「紅葉」が見られることがわかりました

これで、毎秋の紅葉時期が楽しみになりましたね