2015年3月25日水曜日

けやき箒作り10年生

2011/01/27  2011/12/01  2014/01/03

2007年に始めた箒作りの3本の見本苗も、とうとう今年の春で10年生生となりました
ここまで来るまでに何回かの途中経過をお伝えしてあるので

当初3本あった見本も2本は落伍してしまって1本に絞られているのを
ご記憶の方は大勢いらっしゃると思いますが、とにかくここまで来ました

もちろん「無事に来ました」とはお世辞にも云えませんね
昔の画像を見るとよくここまで来られたもんだと冷や汗さえも出てくる感じがします



2015年春、植え替え前の姿 樹高約15cm


昨年の春にも植え替えをしてあるので、矢印で示した中くらいの走り根があるくらいで
ゴツイ根っ子はみあたりません

小枝の柔らかさを求める雑木盆栽の根は
よく追い込まれて細かく分岐していることが大切です


ですから、あまり徒長しないうちに追い込んでおくことが大切
これは枝と同じ原理です


白い矢印の部分は改めて追い込んでおきましょう


10年目にして初めて化粧鉢に入れましたがやや深めですね
最終的には現在の半分くらいの深さが目標です

2015年3月21日土曜日

楓株立ち改作(続編)

昨年の項を参照しながらお願いします

取り木をした苗を親株の足元に植え込み、全体の構図を決める作業
株立ち樹形にとってはもっとも大切な仕事で、これでイメージが決まっちゃう感じですね

で、この冬はかなりの暖冬だったので早めの作業となりました
結果は?

そうですね、あらかじめ取り木をしておいた苗が想像よりも細かったので
親株との調和に少々工夫が要りましたが、まあまあの感じに仕上がりました


昨年の晩秋の画像


昨年の秋の段階の計画図

実際の作業の段階になってみると取り木をした苗が細すぎて
とても一本では左下の大きな空間を埋めきれないことが判明


作業後の姿

そこで、5~6本に枝分かれした苗のほとんどすべてを使い
図のように枝が斜め方向に広がるように植え込み、奥行きも感じられるような構図をとりました

親株と子幹がやや離れ見えますが、それは保護の水苔のせいです
何年かの後には両者の根は、同じ株として癒着してしまいます

さあ、今年は行きますよ!
葉刈り2回を目標に樹勢の充実に励む予定です

2015年3月20日金曜日

山もみじ超ミニ・筏吹き樹形

本来なら幹や枝として育つ部分が地面に倒れた状態で発根し
幾本かの幹が株立ち状に立ち上がった樹形を筏吹きといいます

今日ご紹介するのは取り木の技法を使って
山もみじの単幹を人工的に筏吹き樹形へと改作したものです


左の主幹から出ていた長い枝に幾本もの子幹が立ち上がって
ひと群の樹形をかたち作っています

つまり右に伸びた部分が長い筏に似ているというわけですね


主幹は赤点を新しい芯として子幹とのバランスをとっていきます
右に伸びた今までの差し枝は地面に接して植えられており

将来はその下部からの発根を期待してわけですね


正面拡大図


主幹の拡大図


子幹の拡大図


将来の目標図、こんな感じの樹形を目標にしています


現在の後ろ姿

さてさて、いきなり鉢に入った状態の筏吹きを見せられても
経験豊富なベテランさんはともかく、初心の方は何が何だかお分かりにならなかったでしょうね

それではここで順路を修正し
初めの部分からご説明致しましょう


植える前の状態

主幹は一の枝の下のあたりで取り木をかけられぞっくりと発根し
今までの根にあたる下部はすでに切り離されています


拡大図


下部を切り放された主幹


以上の状態から、根をさらに短く切り込み
差し枝の下部が地面に接するようにして植え込んだわけですね

これでお分かりになりましたか

株立ちや根連なり、筏吹きなどはお互い似たようなところもあり
じっさいに両方の要素を持ち合わせているものもあります

盆栽の場合、筏吹き樹形は
おもに取り木の技法を駆使することにより容易に可能になります

楽しいですよ、ぜひチャレンジしてください