2017年12月2日土曜日

舞姫もみじの株寄せ

幹立ちの数からすると、単幹、双幹、三幹、その次に四は抜かして五幹と数えていくのが順当でしょう。中でも。最も避けたい数は、一目で偶数であることがわかってしまう四幹でしょうね。

その次ぎの六幹以上の場合は、偶数ではあっても一応数えてみないと、目算では奇数か偶数かを瞬時に判別しにくいですね。そんなわけで、もし六幹立の名木が存在したとしても、偶数を嫌って本数を減らされることはめったにないでしょう。

ところが、四幹となるとこれは一目で偶数であることが識別できてしまうので、ほとんどの場合、一本増やすか減らすかの具体的な選択を迫られることは必定といえましょう。


さて、昨年の春に化粧鉢に植えた舞姫もみじの超ミニ取木素材ですが、どうした加減か四幹立ちになってしまいました。そのうえ4本の幹がどんぐりの背比べで高低差がないので、どうにも恰好がよくありません。


そこで閃いたのが、本数を増やして風景を再構築すること、つまり寄せ植えです。


あまり幹数が多いとミニの雰囲気がなくなるので、5~6本立の小さな景色をイメージしてみました。あらかじめ二つの風景を重ねてみて、イメージを膨らませてみます。


小さめの鉢を使って足元はなるべく締まった感じにします。向かってみ右側に奇抜な感じの景色を演出し、左方向への強い動きとのバランスをとりました。


複数本の二つの根のグループを調和よく収めるのが難しい。さらに各幹がぐらつかないように麻ひもや針金で固定します。
















4本と2本のグループ間の調和がとれました。右にやや傾けた主幹一本と残りの五本の力関係が=になっていますね。このバランスがこの構図の見せどころです。

ちなみに、主幹の高さは14㎝で、その他の子幹は8.0㎝くらいです。小葉性(こはしょう)の舞姫もみじの場合は、あまり樹高のある寄せ植えよりも、このくらいの小さなものが似合うと思います。


後姿
この風景は六本の幹から成り立っています。しかし、一目では目算できませんね。このような場合では偶数であっても合えて拘る必要はありません。構図を主体にして堂々とこのまま作り込んでいきましょう。

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