2015年7月31日金曜日

愛玩用・舞姫もみじ超ミニ盆栽の後継ぎ

あまり金銭的な評価は高くなくとも
幼い時分から手をかけたものはやっぱり可愛いもので、いつも気になります

先日、2年前からいじり回していた舞姫の超ミニを手放してしまったので
その後釜の舞姫を物色していました

さて、どれがいいかな?

この数年舞姫もみじの繁殖にがんばってきましたから
選ぶにも本数的には困りまりませんが

中から育ちのいいただの健康優良児を選んだのでは
あまり面白そうにはありませんね

それで選んだのは、一番チビでやせっぽっちの↓の素材
挿木だったか取り木だったかも忘れられている落ちこぼれクンです


立ち上がりの幹径はやっと1.0cm弱
もうちょっと存在感を主張しないと廃棄処分になりそうなひ弱さもあり


さて、真ん中の芯は一週間ほど前に赤点の位置(高さ2.0cm)で切り詰めました
左の一の枝はもう少し充実させてから、赤線のところで切り詰めの予定


ボディーだけで検証してみます
んー!こんな小さな体で並いる健康優良児達にまじって個性を発揮できるのかな?


こんな感じに芯と枝をハサミで作り込んで行こうと思っています
肥料はあまりやらずに瘠せ作りを心がけます


後ろ姿


この角度が正面になることも考えられますね
その時は赤点で示している真っ正面に向かってきている根張りは外しましょうね

それじゃみなさん、またお会いしましょう!
今度お会いする時まで、もちょっと貫禄つけておきますね

せめて夏の終わりごろまでには将来の方向性も含めて
基礎的な部分は固めておきたいと思っています

2015年7月29日水曜日

愛玩用・舞姫超ミニ盆栽作り

2年前からずいぶんと気になっている舞姫もみじの超ミニがありました
親しい同業者の棚で見つけて譲ってもらったものですが

おそらく取木から作った素材でしょう
↓の2枚の画像のように幹に模様があってコケ順もよろしい

そして何よりも、足元に一癖あって力強く立ち上がっています
当時のボディーサイズは1.5cmと記録されていました


2013年夏の写真


同じ撮影時の足元拡大図

ところで、目の利く方が遊びに見えてもあまりに小さいんで
ほとんど目にはつかないんですが

盆栽フリースクールの常連さんの中で
この舞姫のチビをしっかり観察している生徒さんがいます

そッ、そッ、そうなんです
あの目利きのクロちゃんなんです

クロちゃんは研究心も好奇心も人一倍強いですが
それに加えて、自分でも山もみじ(実生挿木苗)超ミニサイズを作っているからですね

スクールの日には必ずチェックして、今年は状態がいいとか
来年は鉢を締めた方がいいみたい、などなどよく観察しています


クロちゃん自作の山もみじ超ミニ
10年前、成田山の境内あたりで採取した実生苗から作り込んだもの(樹高3.0cm)


2年前から気になっている舞姫超ミニに話をもどしますと

今年は春の新芽時期からあまり伸ばさないように
芽摘みと葉透かしを繰り返してきましたが

ついこの間、こんなに小さい盆栽に気がつかれた
目聡い愛好家さんが他にもいらしたんですよ

私の店から1時間ほどのところにお住まいのKさんで
この方は徹底した10cm以下サイズの愛好家さん

目筋はいいし腕も確かですから
正直、なんの心配もなくお嫁にやれた感じですが・・・(笑)

これから先の一年一年が楽しみです
Kさんにお願いして未練たらしく写真を撮らせていただきました


葉が落ちたころまたKさんにお願いして
ご紹介したいと考えています

また、この舞姫がお嫁に行ってしまったので
代わりに可愛がってやる素材を探さねばなりません

それでは

2015年7月9日木曜日

五葉松古葉刈り

梅雨も後半になりましたが、今年はしっかり降りましたね(今日も降ってる)
水の調整はうまくいってますか?

この時期に気になるのはやはり五葉松の新葉の長さですね
成長不良で伸びが悪くても困りますが、水が多くて伸び過ぎては辛いですね

短くきれいに揃った葉も一度だらしなく伸ばしてしまうと
元へ戻すのには数年の気配りが必要になってきますからね

ともかく五葉松の自生地は、標高は1000m以上で年間降水量も少ないので
それを念頭に入れて培養管理することがポイントです

さて、前おきはこのくらいにして
そろそろ今日の本題に入りましょうかね

参照 2010/10/07  2013/09/17


関東地方でも夏の間は
寒冷紗下で管理するのが一般的になってきた五葉松

ところが、先日ある旧知の五葉松の生産業者と情報交換したおり
彼らが実行している夏対策を教わったんです

彼らは夏場にも直射日光の元で培養し、寒冷紗を用いないんですが
それにはちょっとしたコツがあったのです

私たちは五葉松の古葉取りを、春の新葉が完全に固まる9月ごろから始めます
これは、新葉や新芽を傷めないためですね

ところが彼らは、新葉が固まらない6月初旬から始めて
入梅の明けるまで実行するそうです

その早目の古葉取りを実行することが葉数を減らし
真夏の水の負担を軽減させ、寒冷紗が不要になるわけですね

おまけに、日光と通風が行きわたるので、フトコロの奥の胴芽がよく育ち
木の成長はより促される結果となっているそうです

うーん、なるほど!!


愛知県のKさんからお預かりしている五葉松

葉が伸び過ぎてしまったのは仕方ないとして
葉数が多すぎてフトコロの通風と日当たりが悪いですね

そこでさっそく、9月まで待たずに古葉刈りをすることにしました
新葉はまだ完全に固まっていないので、枝先を傷めないようにていねいに


まず針金を取らねばなりません


ボサボサですが、ご覧の通り個性も力もあるちょっと憎い奴ですね


参照蘭のようにピンセットで抜かずにハサミで丁寧に切ること
こうすれば小枝の先を傷めることはありません


古葉の元を1~2mm残すことがポイント
この残された古葉の元から胴芽が吹きやすいんです


ボサボサが解消されたので
フトコロの中まで日が当たるし風も通るので、胴吹き芽も吹きやすい


上から


後ろ姿

今後の培養管理の手順とポイント

1 日当たりと通風のいい棚で培養する
2 9~11月に肥料をやり、春の肥料と水は控えめ
3 樹勢がよければ冬に針金掛け
4 来春に植え替え
5 本来の端正な葉性を再現するために適正な培養を繰り返す

2015年7月2日木曜日

超小実の姫柿

一週間ほど前のこと、今年は実が成らないのかなと思って
何気なくPart317のNo,2の姫柿を手に取って見たら



何と!チッチャーイ実がたくさん成っているじゃあありませんか
実もまだ緑色なんで葉っぱにまぎれて気がつかなかったんですね

姫柿の実のサイズは直径1.5~2.0cmくらいが普通ですが
測ってみたら0.7からせいぜい0.8cmくらいまでの丸みを帯びた可愛らしい形です

あまりの小ささにびっくりしたり嬉しかったりで、姫柿に詳しいひとに
あっちこっち電話で聞いてみると、これほどに小さいのはかなり珍しいとの結論です

私も、同業者が四季成りの性質であるという超小実の姫柿を見たことがあるんですが
この木の実よりもやや大きかったような記憶があります

ちなみに、この姫柿を買う時に内心「ずいぶん高いなー」とは思ったんですよ
でも、持ち込みの古さや樹形の味わいがいいんで、かなり我慢をして求めた記憶があります

今となれば、こんな小さないい実だと知らされていなかったんですから
高いなあと感じたのも当然ですよね(笑)





小指の先よりまだ小さい実がびっしりと成っています
実の形はマン丸



未熟なためにサイズが小さい場合もありますが
この木の場合、実の大きさが揃っているので、このサイズは本来の性質と見て間違いないでしょう



普通サイズの実の姫柿
実の大きさの直径は1.6cmくらいです



普通サイズの姫柿の実拡大図

葉もやや小ぶりだし節間もかなり詰まっているので
この実の大きさであれば、樹高7cm以下の超ミニサイズの盆栽により対応できますね

そういう訳で、もう少し正確な情報が集まるまで頒布コーナーの姫柿はしばらく販売保留にさせて頂き
実のサイズや色を確かめたり、枝葉の性質なども確認したいと思います

そして盆栽界でのこのクラスの稀少性も調べ
必要と判断すれば挿し木や根伏せでの繁殖も考えてみたいと思っています

みなさんも姫柿の実のサイズについて何か情報がありましたら
是非ともお知らせください

どうぞよろしく